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2006/10/29
父親たちの星条旗
うん、戦争賛美でもない、「どちらが正義か」を殊更強調するでもない、なかなか骨太な作品に仕上がっていると思いますね。

父親たちの星条旗

流石、イーストウッド御大。
監督がイーストウッド、製作スピルバーグ、脚本ポール・ハギスって最強のタッグじゃないの。
二時間半近くに及ぶ作品ですが、それを意識させない展開でしたね。

硫黄島上陸作戦。
当初、アメリカは5日で終了すると思っていた戦闘が30日以上続いた激戦に。
戦闘も、冷静にかつ客観的な視点で描かれていて、それが逆に不思議な感覚を呼び起こします。

戦争に正義などない。
国家主導の殺戮があるだけ。

父親たちの星条旗

どちらが正義で、どちらが悪なんて戦争には存在しないんだと言うことを改めて感じさせられますね。

「父親からの星条旗」では、アメリカ側の視点が描かれている訳ですが、とある一枚の写真が戦局を大きく変え、そして政治宣伝に利用された3人の兵士達の物語。

父親たちの星条旗

にしても、シビリアン・コントロールという言葉が意味を成さない、戦地で戦う兵士達と、戦地から遠く離れて戦争を賛美し、国民を戦争へ誘導し、軍事資金の調達に奔走する政治家。
その極端な対比が見事に描かれています。

兎角ありがちな、戦争賛美、自国肯定の映画だったら鼻白んでしまう所ですが、そういう点が一切ない作品であることに、作り手の「硫黄島」で起きた歴史的な出来事に対する深い思いを感じることができました。

12月から公開される「硫黄島からの手紙」もかなり期待ですね。
こちらはどれだけ、当時の日本人を描くことができるか?
楽しみですな。
posted at 2006/10/30 2:11:47
lastupdate at 2006/11/22 12:53:26
修正
 
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