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40代に突入しても不惑の域に達しない。

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2009/11/01
人材育成とは
新人と同じじゃねーか?ベテランさんよ
新人が現場で研修しております。
今年は、教育側の体制が充実しており、なかなか面白い展開を見せています。
翻って、現場を見てみると・・・新人達と大差ない現状だったりします。

ある程度のポジションにいても、自分たちの仕事を改善できない。
いや、それ以前に、何から着手すればいいのか、考えられない、思考停止人間になっている。
この状況が、組織のパフォーマンスを著しく低下させ、「失敗を繰り返す組織」にしている。
今期こそ、立ち上がって、この問題を何とかしなければならないと思っております。

前期までは、プレイングマネージャとして、現場でひたすらモノを作り続けました。
どんな立派な理論も、正論も、モノ(成果物)がなければ、机上の空論です。
プレイングマネージャとして、2つの責務、モノを作ること、人を管理すること、の1つは確実に優先度を下げ、ひたすらモノを作り上げました。
そんな訳で、今期は多少余裕が生まれ、本来のマネージャ側の仕事に本腰を入れることができそうです。

なぜ問題意識を持ちながら改善できない?
モチベーションが「間接的」に影響していることは確かなんですが、実は意外な落とし穴があります。
「改善活動」を学校で体系的に学ばない。社会でも体系的には学べない。
ということが要因としては大きいと思います。
つまり、感性や、部署の環境、上司や先輩、センス、個人の資質が成果に大きく影響していて、個人差が激しい。

しかも、社会人になると「知識」は、それ単体では武器にならない。
実行力(実際にやる力、努力、根回し、やり遂げる力)がなければ「絵に描いた餅」。
よく「知識はあるけど、使い物にならない」という人が会社にいます・・・よね?(笑
知識と実行力の2つが、合わさった時初めて何かが変わります。

では、「問題意識を持ちながら、なぜ改善できない」のでしょうか?

問題を難しいまま、難しく捉える
「うーん、難しいね」・・・と言って、思考停止する上司。多くないですか?
問題をブレークダウンや分解できない。
問題を考えるときに「なぜを3回繰り返してみよう」というやり方があります。
これも意外と大切。
クリティカルシンキングでは、問題に対する理由を2つ以上考えることを学びますし。
まずは、どの方法でもかまいません。
問題を分解する方法を身につける。

なぜ?なぜ?を繰り返し、問題をブレークダウンするもよし。
問題を複数の理由を挙げてからアプローチするもよし。
とにかく、「難しいことを、難しいまま考える事をしないクセ」を身につけることが大切だと感じます。

スキル3階層モデル
その人の能力、スキルを測るとき、個人的にやっていることがあります。
それは、「スキルの階層を意識すること」です。
会社で働いていると、その働いている領域のスキル、例えば営業スキル、マーケティングスキル、開発スキル・・・配属された部署のドメインに特化したスキルがあります。
これが最上位。
その下には、エンジニアの場合、エンジニアスキルが存在します。
これが中間層。
そして、最後に「社会人としてのスキル」があります。
これが最下層。

最下層のスキルは、対人能力(コミュニケーション能力)や、論理的思考、報連相(ホウレンソウ)などの、どの職場で働こうとも、必要なスキル。

エンジニアスキルは中間層。
レポート作成能力、実験能力、分析能力、考察力。
網羅性やMECEを意識した理論構築など。
理系、工業系ならば学校で学ぶものばかり。

これら最下層、中間層のスキルなくして、上位層のスキルは向上しない。
たとえ向上しても、その人のクオリティは高くならない(思ったより、パフォーマンスが向上しない)と考えております。

どんなに上位層のスキル、例えばソフトウェア開発スキルが高くなろうとも、バグ解析(中間層)や、バグ報告(中間層)、連相報(最下層)がダメなら、個人のパフォーマンス評価は上がりません。

つまり、スキルの3階層モデルとは、家のようなものです。
土台(最下層)や柱(中間層)があって初めて、屋根(上位層)のスキルが成立する。
土台や柱がグラついているのに豪華な屋根を付けても、家のバランスは歪で、やがては倒れてしまいます。

人材を育成する時には、この階層を意識することが大切だと常に思っています。

人材育成とは
企業にとって、人材育成は永遠の課題であり、答えなき追及です。
なぜなら、環境変化、個人の資質・・・変動パラメータが膨大で、システム化できないからです。
だから、人材育成は組織文化や、業種、そこで働く人向けに最適化していかなくてはなりません。
その道は教科書には載っていません。

教科書に載っている「銀の弾丸のような、魅力的なもの」は、銀の弾丸でも何でもないのです。
教科書に載っている理論や方法論、成果は、「ある特定の環境で、ある特定の業種で、ある特定の人たちに有効」であることが書いてあるだけです。
つまり、パラメータを固定する(システム化する)ことで理論を構築したり、その限定的な条件下で普遍的な理論を導き出しているにすぎません。

現場で人材育成を行っていくには、継続的な繰り返しと、常にやり方を模索して、変えていくガッツが必要です。
立派な理論も理屈も、あまり必要ではありません。
現場の困りごとを分解し、問題を浮き彫りにする。
その問題に対して、1つづつ解決方法を考える。
実行して、よくない点は改め、良い点はさらに良くする。
結局はPDCAサイクルをいかに回すか、に帰結するような気がします。

そこに個人のキャリアデザイン、モチベーション、組織の方向性が加味されて、ユニークな活動になっていくのだと。そう思います。

今期は、外部委託会社に対して育成視点で取り組まなくてはならなくなりました。
半年でできることはわずかですが、PDCAサイクルを回さなくてはなりません。
さて、いろいろ考えてみるかな。

P.S.
表現が悪いですが、「現場の困りごと、悩み」に付け込んで商売をするのがコンサルという仕事です。
コンサルは「銀の弾丸」の存在を匂わせます。
それが商売方法ですから。
ですが、コンサルが授けてくれるのは基本知識。
つまり教科書に載っている事+α程度だと考えた方がいいです。
最終的には、「現場でなんとかしないといけない」ことに変わりはありません。
コンサル否定論者ではありませんが、多額の報酬をコンサルに支払う前に、現場にその資金を投入(人件費換算でも)して、現場で改善活動することを考えましょう。

経営層、管理層の皆さまは、とかく「美しい理論」を好みます。
自分たちが現場で苦しんで、泥臭いことを体験してきたにも関わらず。
(だからこそ、なのかも知れませんが)コンサルの甘言に惹かれてしまうのも仕方ありません。
ですが、現場を良くする力は、現場にしかないのです。
それを忘れてはいけません。
posted at 2009/11/01 18:42:01
lastupdate at 2009/11/02 9:31:17
修正
 
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