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2005/07/28
鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」鑑賞

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

川崎のチネチッタ「チネグランデ」で上映していたのですが、音響設備がプアなのね。
グランデなのに・・・泣き笑いネコ

さて「鋼の錬金術師」の劇場版はテレビシリーズの結末からのスタートですか?
テレビシリーズは中盤からほとんど観ていなかったのでよく分かりませんが。

この「鋼の錬金術師」、一見お子様向け漫画のようですが、根底に流れるテーマはとても深い作品です。

錬金術といえば、中世まだ化学が発展していなかった頃、「卑金属」から「貴金属」を錬成するための技術として発展しました。
そんな彼らも「貴金属」の錬成以外に自然科学の研究や医療技術の研究など、現代に通じる研究をしていた錬金術師達もいたとか。
あのニュートンだって実は錬金術を研究していたんだそうです。

「鋼の錬金術師」はこの錬金術をテーマにして、「人の生命とは」「真理とは」という結構マジメなテーマが込められているマンガです。

作中、印象的な言葉として

「何かを得るためにはそれ相当の対価を支払わなくてはならない。それが等価交換の原則だ。」

という言葉があります。

主人公のエドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリックは、錬金術師の父を持つ兄弟。
ある日、亡くなってしまった母を蘇らせようと、錬金術を用いて「母の錬成」を行おうとします。

その結果、「母の錬成」は失敗し、「異形の者」を錬成した結果、兄は左脚を。
弟は全身を「真理」に奪われることに。

兄エドワードは、せめて弟の魂だけでも奪い返したいと自らの右腕を犠牲にして「弟の魂」を錬成し、自宅にあった古い鎧に定着させます。

錬金術における「等価交換」として、奪われた身体と引き替えに彼らは真理の一部を知り、錬金術師としては上位格へとシフトしますが、大きな代償を払うことに。

やがて二人は「失われた身体を取り戻す」ための旅に出ます。
兄は失われた手足を「機械鎧(オートメイル)」で補完し、弟は鎧姿で。
やがて兄はその特徴から二つ名を「鋼」とし、「鋼の錬金術師」として旅を続けるのでした。

ってなストーリです。

・・・うわぁ、映画版のレビューを全然書いてないっ(汗

え〜っと、まあ映画版はアニメ版の続きってことで、ちょっと納得いかない点も多々ありまくりなんですが、それなりにまとまっていて良かったのではないかと。

・・・で終わりかよっ!(1人ツッコミ)

現実も「鋼の錬金術師」も共に、錬金術師達の至高の目的は、

賢者の石

を手に入れる事でした。

現実世界では、賢者の石が「卑金属」から「貴金属」へ錬成するための触媒と考えられていたそうです。

「鋼の錬金術師」の世界では、錬金術の錬成力を増幅するためのもの。
つまり「等価交換を超える存在」として位置づけられています。

ですが結局は「等価交換」という因果律からは抜けられず、「賢者の石」を手に入れるには「相当の代価」が必要なのですが。

こんな感じでテーマ的にも設定的にも結構面白いマンガだと思います。

Fe+は大学時代に一番大好きだった授業が「科学史」でした。
古くは古代ローマ時代から、中世、近代とかけて科学の発展の歴史を学ぶ訳ですが、科学は哲学などとも密接に関係しており、錬金術も然り、人間機械論に然り。
現代でも役に立つ素敵な学問です。

そんな「科学史」好きのFe+としては「鋼の錬金術師」推しておきます。

ところで・・・

一時は否定された「卑金属」から「貴金属」への錬成ですが、現代では肯定できるそうです。

つまり、金は「生成可能」であると。

方法は、金より原子番号が1つ大きい水銀に対してガンマ線を照射すると「金」になるんだそうです。
ただし、かかるコストと得られる金とが

全く釣り合わない

と言うことと、長い年月を要するってことで全く意味がないそうですが。

これも「等価交換」ってことですかねきりりネコ
posted at 2005/07/28 1:15:04
lastupdate at 2005/11/02 10:41:02
修正
 
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