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2009/04/08
きれいな理論、泥臭い理論
「絵に描いた餅」の感が漂いますが、いわゆるMBO(目標による管理)ってやつをウチの会社もやっているわけです。
期初に目標を設定。
期の中間で面談を一回。
期末で面談を一回。
ってな感じで。
まぁ、今まではそれなりに「自分のやったこと」を「自分の言葉のみ」で伝えていたのですが・・・

今年は諦めちゃいました。

自分の思考の背景にある理論をオープンにして、その上に自分の言葉を乗せる。
って感じで、かなり理論寄りの話も入れちゃいました。
本当はやりたくないんですけど。

だって、自分が逆の立場で、部下がそういうことばっかり言う人だったら疲れるし。

以前も書きましたが、30代になってからは「なるべく自分の言葉で話そう」ということを意識しています。
出典(理論)はなるべく隠して、それを実際の現場や経験から、自分独自の見解を見出して、それをベースにして話をできるように努めています。
まぁ、教科書は教科書ってことかなと。

ビジネスの世界では「結果がすべて」で、そこに至るプロセスも評価はされますが、最終的には利潤という結果が伴わなければただの「机上の空論」なわけです。

優秀な学者が優秀な経営者たり得る保証はないけれども、
優秀な経営者は優秀な学者たり得る可能性は十分あるのは、これが理由かと。

そういう「泥臭い理論」が好きな人と、
「きれいな理論」が好きな人がいるんでしょうね。

マネージャっていうのは不思議な生き物で、「利潤を追求する」というドライな思考を持っていながら、「きれいな理論」を好む人が意外と多いと、いつも感じます。
逆に「泥臭い理論」が好きな人はあまりいない。
と云うよりも、その価値に気付いていないケースが多いのかなと。

そうすると、「きれいな理論」ばかりを言う人が重用されたり、評価されたり。
「泥臭い理論」を言う人は「あいつは分かっていない、理論は?」とかになっちゃう。
ビジネスという泥臭い現場にいるのになぜか、その泥臭さを拒絶する、価値を認めない。
じつに不思議な現象だと思います。

だから経営者やマネージャはコンサルを雇うわけです。

コンサルから「きれいな理論」を一億円で授けて貰うことは「投資」でも、
現場でひーひー言って働いている人たちを集めて一億円を使って、「泥臭い理論」を吸い上げるような仕組みを作ることを「投資」と思えない。
つまり、コンサル(外部の人間)>現場(内部の人間)だと思っている経営者やマネージャが世の中には多いのではと思うのです。
つまり人って「口当たりのよい言葉」が好きなんでしょうね。
洋の東西を問わずに。

「もっと早く、こういうことを言ってくれればよかったのに。今までうまく行っていたのは天然(つまりただの運?)だと思った」
とマネージャの言。

運は基本的に2回も3回も続かないから、気付かないのかな?
天然が成功し続けるほどビジネスは甘くないとFe+なんかは思いますけどね。
にしても、まぁある程度理解はしてもらえたようです。

やはり「きれいな理論」が好きな人が多いのかな?

Fe+はビジネススクール在学中に学んだ事として「現場の泥臭い何か」が原石であり、最もゴールに近づくための「何か」を含んでいるんだと、気付かされました。

理論(理屈)も大切、でも現場はもっと大切。

だからこそ、自分の言葉で自分の目線で、現場を捉えて何かを為す。
それを評価してもらえないのならば、仕方がないことかなと。
ここは相手に合わせて「きれいな理論と、泥臭い理論、どちらがお好み?」ということも大事なんだなと。

日本の企業文化にはMBOは馴染まない、効果が薄いと思っていましたが、いやはや。
こういうことを考えさせてくれるだけ、役に立つのかもしれませんね。
posted at 2009/04/08 3:52:28
lastupdate at 2009/04/08 3:54:27
修正
 
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